令和5年2月1日~2月28日

全国、九州、鹿児島県、市町村別に不動産価格の動きと今後の動向、不動産の有効活用、不動産の相続・遺産分割等に関する参考となる情報です。
お役に立てれば幸いです。

1. 放置空き家 税優遇除外【日経】

政府は、放置された空き家の活用促進策をまとめた。窓や壁の一部が壊れているといった管理不全の空き家を対象に税優遇を見直す。自治体からの改善勧告に対応しない場合に、住宅の固定資産税を減らす特例から外す。中心市街地などに限定して建築規制も緩和する。高齢化で住宅の相続が増えることを見据え、所有者に適切な管理や活用を求める。

国交省によると国内の空き家数は18年時点で849万戸に上る。このうち賃貸や売却用などを除いた、居住目的のない空き家は349万戸で20年前からほぼ倍増した。高齢化で住宅を両親から相続した子が放置するケースなどが目立つ。適切な対策をとらないと30年には470万戸まで増える見通しという。


2. 4月施行目前 相続&登記【週刊エコノミスト】

今年4月1日から施行される改正相続法と登記法の改正で不動産に絡む制度変更が目白押しである。
改めて相続に関する基礎知識を記載する。

●相続人とは誰?
→配偶者は常に相続人。第1順位は被相続人の子。第2順位は被相続人の親。第3順位は被相続人の兄弟姉妹。

●法定相続分とは?
法定相続分とは民法が定める相続人が遺産を取得する割合のこと。
 ①相続人が配偶者だけの場合:配偶者が遺産の全部を相続する
 ②相続人が子だけの場合:子が遺産の全部を相続する
 ③相続人が配偶者と子の場合:配偶者の法定相続分は2分の1、子は2分の1となる。

●遺産を分割する方法は?→
①現物分割:被相続人の長男が不動産Aを取得し、次男が不動産Bを取得するといったように、遺産の性質や形状を変えることなくそのまま分ける方法。
②代償分割:特定の相続人が遺産を取得し、その人が他の相続人に代償金を支払って清算する方法。
③換価分割:遺産を売却して現金を得て、相続人が分け合う方法。

●相続は放棄できる?
→相続人が被相続人の債務を負わずに済むようにするには、「相続放棄」という手続きをすればよい。そうすれば、もともと相続人だった人であっても、法律上は「はじめから相続人ではなかった」ということになり、資産も債務も一切相続しない。

●共有
→相続した不動産を共有すると、活用・処分の自由度が大幅に下がるほか、さまざまな責任を負い、共有持ち分に応じて固定資産税や管理費用も負担しなければならない。
自分の共有持ち分だけを売却することができるが、市場参加者が限定され、適正時価より相当減額されてるのが通常であり、市場滞留期間は一般的には長期化する。


3. 遺留分の金銭支払い原則化【週刊ダイヤモンド】

不動産が財産の大半を占める人が遺言を残す際は、相続人の遺留分を考慮しなければいたずらに財産を損ないかねない。

父の遺言書に基づく遺産分割を不服とした次男が、遺留分侵害額請求を起こしたケースだ。この請求を起こされれば、長男は支払いを免れることはできない。

もし手元に現金がなければ、改正前は敷地を一部渡すだけで済んだはずが、改正後は敷地の一部を売って現金に換えて渡すことになる。

相続不動産を売却する場合でも、不動産の譲渡による所得には譲渡税(所得税と住民税)が課され、その譲渡税分を見越して、遺留分を支払えるだけの現金が手元に残らないからだ。

譲渡税は、税率の低い長期譲渡所得(不動産の所有期間が5年以上)の場合でさえ、売却益のおよそ20%が課される。

マンションの場合も当然譲渡税は同様に課される。


4. 北薩横断道路【南日本新聞】

「北薩横断道路」は全体の4割に当たる25.1㌔が開通し、未開通の4区間のうち2区間で建設中。残りの2区間は着工に向けて準備している。1994年に計画路線となってから30年近く。国の補助を受けて整備を進める県によると、完成時期は未定。

全線開通すると、阿久根市から鹿児島空港までの所要時間は約1時間縮まる。南九州西回り自動車道と、九州縦貫自動車道を合わせた広域交通ネットワークの形成も期待される。


5. 加治屋町ビル再開発計画【鹿児島市】

鹿児島市は、加治屋町1番街区でマンションを主体とした複合ビルの再開発事業が計画されていると明らかにした。地権者でつくる任意の協議会が昨年11月に発足している。市は、2023年度当初予算案を発表し、既存建物の調査費約2600万円を計上した。

市街地まちづくり推進課によると、21年10月に閉店した家電量販店エディオン鹿児島本店があった一帯。敷地は電車通り約160㍍に面した5600平方㍍ほどで、大半はJR九州所有となっている。

複合ビルの高層階はマンション、低層階は街歩きを楽しめるようにガラス張りの商業施設を計画している。

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