過去の主張の異なる土地の交換の解決を図るための鑑定評価

1.類型:更地として

2.所在:K市

3.土地:1,500㎡以上 土地:500㎡以上

4.鑑定評価の条件:①評価単位の画地は現況に基づいて利用している範囲とする。②入り込んでいる里道は評価数量に含めないが一体利用可能なものとする。

5.依頼目的:土地の交換による解決を図るため

6.コメント:交換の対象となる土地はいずれも市街化調整区域(「調区」)に属するが、表地は土地区画整理区域内の市道に面しマイナス要因がほとんどない土地、背後地は法定外道路に面する大規模地である。そのためマイナス要因が根拠に基づいた分かりやすい説明でなければならないこと。最終的には価格バランスが双方ともに納得してもらわなければならないことに苦慮した。そのため、「調区」の開発行為・建築規制について分かりやすく説明し、本件価格にどのような影響があるかを納得できるように説明を行った。

30年前に進入路確保のために交換した土地が現況利用に基づいて計測した結果、市街化区域に隣接した土地の面積が明らかに価格水準の劣る背後の法定外道路に接面した大規模画地の面積と逆転したケースである。交換した部分を登記未了のまま背後地を購入した人は90代であり、当時の所有者は既に故人となっている。一方の当事者も80代となっている。このままいくと係争物件として市場流動性はなくなり、また玄孫の代までこの状態が続くことを説いて鑑定評価によって求めた価格で精算を図るものとした。公平を期するため連名での依頼をお願いした。80代、90代になると法律行為の可否の問題もある。その他交換に伴う税、権利の移転、分筆、里道の払い下げ等、今後の問題についてアドバイスを行った。無事両者に納得してもらったが、当事者が感情的にならないよう第三者による調整が必要なケースである。

7.期間:2か月

8.鑑定報酬額:50万円程度

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