遺産分割協議における代償分割のための評価─パート2─

1 種別類型:貸家及びその敷地

2 所在:K市

3 土地:800㎡

4 建物:共同住宅 鉄筋コンクリート造4階建 (延)1100㎡ 建築年月 昭和58年11月

5 鑑定評価の条件:現況を所与とする

6 依頼目的:相続不動産の代償分割を求めてきたため、鑑定評価による適正な時価を把握するため

7 期間:1.5ヶ月

8 報酬額:60万円程度

9 コメント1:本件は立地が良くライバルの賃貸マンションがひしめくエリアにある。このようなエリアにおいては築後40年以上経っていることから物理的劣化のほか設備が最新型でなく仕上等の機能的陳腐化していることから空室率リスク、追加投資額の発生を常に抱えている。市場に参加する属性は投資を目的とする個人、法人等であることからこれらのリスクを利回り(NCF)に反映させた収益価格を重視して鑑定評価額を決定した。

  コメント2:代償分割は相続人が遺産を現物のまま相続するかわりに残りの相続人に現金を渡すという遺産分割の方法である。相続税における相続時点の価額は相続税基本通達により、建物は家屋台帳に登録された固定資産税評価額によって評価されるものとした上で貸家建付地の種々の補正を入れ相続時点の評価額を求めることになっているが、これでは形式的な調整に留まり、将来収益の不確定性を十分に反映できない。これらはあくまでも課税をするための価額であり、市場価格とは異なるものである。したがって、本件では、依頼の目的より経済的価値を合理的に説明し、税務署、裁判所に出して活用してもらうと同時に相手方にも十分納得してもらう鑑定評価書を価格等ガイドライン、鑑定評価基準に則り作成した。

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