令和2年7月1日~7月31日

全国九州鹿児島県市町村別の不動産の地価、不動産に関する社会的・経済的要因、主に金融・税・行政的要因及び不動産の有効活用に関する参考となる情報です。



 1. 「浸水想定区域」に住宅立地 自治体の約9割 【国土交通省】

国土交通省はコンパクトシティー整備のための立地適正化計画を公表している275都市について、居住誘導区域と危険地域が重なっていないかを2019年12月時点で調査した。その結果、河川が氾濫した場合に浸水する恐れがある「浸水想定区域」と居住誘導区域が重なる場所がある都市は242と全体の88%を占めた。「土砂災害警戒区域」と重なる都市は93で34%、「津波浸水想定区域」と重なる都市は74で27%あった。

山梨大学の秦康範准教授は「浸水想定区域の人口は地方も大都市も関係なく増えている」と指摘する。危険がある地域で自治体が都市開発を進める理由は「一人暮らし世帯の増加で住宅戸数が増え、新規開発が難しい中心部より、これまで人が住んでこなかった浸水想定区域が大規模な開発対象となった」と分析する。

自治体からは「誘導区域を除外すると街づくりが成立しない」といった声も聞かれる。



 2. 米投資ファンド 大和ハウスから約550億円で物流施設買収 【日経】

米投資ファンドのブラックストーン・グループは大和ハウス工業から国内の4つの物流施設を取得することを決めた。投資額は約550億円。ブラックストーンが取得するのは「DPL」のブランド名で大和ハウスが展開する関東や中部などの4物件。ネット通販の効率的な配送に必要な物流施設は今後も高稼働が続くとみて、中長期で保有するもよう。ブラックストーンは物流施設に重点投資しており、2019年にも日本国内の複数物件を約1000億円超で取得した。

大和ハウスは物流施設の開発を加速している。20年3月末時点で施行中も含めた開発総延べ床面積は813平方㍍、棟数は251棟で国内トップ級。20年度中にも32棟を新たに着工する計画。首都圏だけでなく、地方の中核都市などでの需要取り込みも狙う。



 3. 不動産在庫 10年で7割増 需要低迷でリスク高まる 【日経】

不動産会社が抱えるマンションやホテル、施行中物件などの在庫が増えている。3月期決算企業41社の在庫を集計したところ、2020年3月期末では約4兆8000億円と10年前比で7割増えた。低金利や販売の伸びを背景に在庫を積み増してきたが、足元では新型コロナウイルスが直撃。需要の低迷が長引けば値引きや評価損の計上を迫られるリスクが高まる。

10年3月期から20年3月期まで継続比較できる41社(非上場含む)を対象に調べた。20年3月末の在庫は4兆8000億円と、10年で約2兆円増えた。

大和不動産鑑定が5月に行ったアンケート調査では、全用途平均で54%がコロナ収束後の不動産価格がコロナ前よりも下がると答えた。用途別ではホテル(86%)や住宅(57%)などで下落予想が多い。「ホテルでは3割ほど値下がりする物件が出てきてもおかしくない」(国内証券)との指摘もある。

トーセイは6日、新型コロナの影響で20年11月期に76億円の在庫評価損を計上すると発表。いちごは20年2月期の連結決算で74億円の販売用不動産の評価損を計上した。



 4. 2020年路線価発表 【国税庁】

国税庁が1日発表した2020年分の路線価は全国平均が5年連続で上昇した。そのけん引役を新型コロナウイルスの感染拡大が直撃している。訪日客は激減し、オフィス需要も陰る。国土交通省によると、路線価の基準時点の1月と比べた4月の地価は全国4地区で下がった。下落地区が出るのは6年ぶり。

九州・沖縄をみてみると、九州7年の標準宅地の評価基準額は前年比2.1%上昇した。4年連続の上昇で、上昇率は拡大した。沖縄県の上昇率は10.5%と、都道府県別で3年連続1位となった。福岡県は4.8%上昇と、比較可能な10年以降で最大の上昇率となった。九州南部でも市街地開発が地価を押し上げている。鹿児島市や熊本市では複数の再開発が展開、宮崎市でも宮崎駅前の大型商業施設の開発がけん引する。ただ市外では「二極化が進む」(宮崎県の古清水賢一鑑定士)状況は変わらず、宮崎県と鹿児島県では下落した。テナントの休廃業や家賃の減額要請も一部でみられる鹿児島の繁華街、天文館地区では「主に飲食テナントが入るビルの収益が悪化している」(山口幸太郎鑑定士)。

コロナ前に調査された地価が、この時期に公表される影響を懸念する声もある。三好不動産(福岡市)の堂脇善裕執行役員は「土地所有者に『地価は高止まっている』という意識が根付く懸念がある」と話す。地価は下がっていると考える買い手との間で値段が折り合わず「取引が停滞する懸念がある」という。不動産全体としては「値崩れする懸念は小さい」(日銀の宮下俊郎福岡支店長)との見方が多い。

評価は1月時点でコロナの影響を反映していない。



 5. 景気回復18年10月まで 戦後2番目の長さ 【内閣府】

内閣府は2012年12月から始まった景気回復局面が18年10月に終わり、景気後退に入ったと認定する方針。拡大期間は71カ月にとどまり、08年2月まで73カ月続いた「いざなみ景気」の戦後最長記録を更新しなかった。

今回の景気回復の長さは戦後2番目となる。この間の経済成長率は平均で年率1.1%程度で、景気動向指数の上昇幅は12.7㌽だった。いざなみ景気の約1.6%、21.0㌽をそれぞれ下回る。



 6. コロナ前水準に回復するまで「2年以上」過半 【日経】

「社長100人アンケート」(国内主要企業の社長(会長などを含む)を対象に6月30日~7月15日に実施し、145社から回答を得た。)で、事業環境の回復に「2年以上かかる」との予測が過半に達した。

また4割近くが「オフィス面積の縮小」「シェアオフィス活用」を検討。



 7. 景気判断全9地域引き下げ 【日銀】

日銀は9日発表した7月の地域経済報告(さくらリポート)で、前回4月に続いて全国の9地域すべての景気判断を引き下げた。今回のリポートは「大幅に悪化」「きわめて厳しい状態」といった文言が並び、地方経済の落ち込みが鮮明となった。2四半期連続で全9地域の景気判断を下方修正したのはリーマン危機後の2008年10月と09年1月以来。



 8. 積水ハウスと米ホテル大手、地方の「道の駅」併設型ホテル 【日経】

積水ハウスと米ホテル大手のマリオット・インターナショナルは、地方の「道の駅」に併設する小型ホテルを10月から順次開業すると発表した。第1弾として年内に京都府など4府県8カ所に開業し、2025年には25道府県で約3千室規模に広げる計画。



 9. 水害リスク 説明義務化 【国土交通省】

国土交通省は8月下旬から、住宅購入や賃貸などの契約前に水害リスクを説明することを不動産業者に義務付ける。浸水想定区域で浸水被害が相次いでいることを受け、省令を改正した。

関係省令を改正し、重要事項説明の項目に水害リスクを盛り込んだ。違反し、改善命令に従わない場合は業務停止を命じる。8月28日から施行。

国は被害の拡大を防ぐため、災害の危険性が高い地域での開発も抑制する。改正都市再生特別措置法が6月に成立し、土砂災害特別警戒区域などの「災害レッドゾーン」と呼ばれる区域で、学校や店舗といった施設の建設が原則禁止される。



 10. 新設住宅着工戸数 リーマン時の水準を下回ると予測 【野村総合研究所】

野村総合研究所がこのほど公表した新設住宅着工戸数の中長期予測によると、短期的予測では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、19年度に88万戸だった新設住宅着工戸数は、20年度は73万戸、21年度は74万戸になると推計。リーマンショック時の水準(09年度78万戸)を下回る見込みで、コロナの影響を受けなかった場合の予測値(20年度85万戸、21年度82万戸)と比べて、20年度は12万戸、21年度は8万戸と2年間で20万戸減少すると指摘している。ただ、コロナの影響は20年度第3四半期(10~12月)にピークを迎え、「その後の新設住宅着工戸数は、経済の回復とともに非常に緩やかに回復する見込み」としている。

40年度までの長期予測では、30年度に63万戸、40年度は41万戸と19年度から半減すると見込んでいる。またリフォーム市場規模予測については、40年度まで年間6~7兆円台で微増傾向が続くとした。



11. 福岡オフィス市況 オフィス縮小などの動き 九州各都市に波及の見方 【日経】

福岡市内の空室率はオフィス需要の好不調の境である5%を下回る低水準が続いている。だが、三幸エステート福岡支店の中村竜治支店長は「オフィスの移転、拡張計画を保留する企業が4月から目立ってきた」と話す。19年に市内で成約した面積は約16.5平方㍍だったが、20年は「13.2万平方㍍程度に減りそうだ」とみる。

コロナによる企業の経費削減に加え、在宅勤務の浸透が背景にある。7月には富士通がグループ会社を含めたオフィススペースを、23年3月末までに半減させる計画を公表した。

開発計画を見直す動きも出ている。福岡県の地銀幹部は「取引先でもオフィス用に仕入れた土地をマンションなどに転用する動きが出てきた」と明かす。

福岡を含め各都市に拠点を置く東京や大阪の企業は「東名阪から始まり、福岡などの中核都市、地域内の有力都市の順に投資を決めていく」(不動産関係者)ことが多い。福岡の空室増加などは「半年ほどで周辺都市に波及する」(同)との指摘が出ている。

熊本、長崎、宮崎市では、JR九州などが中核駅周辺で再開発を進め、オフィス供給も計画する。ただ、不動産関係者の間では「福岡への投資が滞るようになると、有力都市でもテナント募集が難航する」との見方が強まっている。

福岡で新型コロナウイルスの影響がオフィスの空室率や賃料で顕在化してくるのは、21年春ごろとみられる。



12. 2019年度県内立地協定40件 投資額、新規雇用者は増 【鹿児島県】

2019年度に鹿児島県内の自治体と企業が結んだ立地協定は、前年度より2件少ない40件。一方、合計の新規雇用予定者は571人で、前年度を167人上回った。投資予定額も132億円多い約665億円に上った。

協定締結数はリーマン・ショック後の08年度は15件だったが、14年度から40件以上と高い水準を保つ。



 13.  ジェイドガーデンパレス閉館 【鹿児島市】

鹿児島市上荒田町の大型宴会施設「ジェイドガーデンパレス」が7月末で閉館する。施設は5階建て。建物は秋ごろから取り壊しを始めるが、跡地の利活用については未定。
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